歴史を刻む石段

國分寺の門前には緩やかな傾斜の石段があります。
20数年前に少し工事をしました。かなり傾斜を緩くし、現代人の体格に合わせて段の幅を広げ、以前のものより無理なく昇り降りできるようになったので、どなたでも楽に昇ることができます。

この石段はお寺の歴史を物語っています。
石は門の建立以来のもので、多くのお参りの方々が踏みしめることによって磨き上げられてきました。
角は滑らかになり、優しい姿となって人々を迎えています。

石段というものは、単に土地の高低の理由からだけで作られているのではありません。
尊い仏様と我々の俗世界との境界となっています。
石段を上がり、門を一歩くぐればそこは清浄な天台峡となっています。
それゆえ、お参りのみなさんが門をくぐって境内を見渡しながら、「ここに入ると気持ちがすっとします。」とか、「ここの空気はとてもきれいですね。」と言われることが多いです。
同時に、敷居が高いと感じられることもあるかもしれません。
でも境内の内側、お寺で暮らしている我々も悩みや怠け心があったり、理想とする行いができず反省する毎日です。

みなさんもこの石段を超えて境内の中に身を置いてみてください。
そしてきれいな空気を胸いっぱい吸い込んで、仏様をお近くに感じてください。
そうすれば、きっと美しく誠実な心が芽生えることでしょう。

“歴史を刻む石段” への2件の返信

  1. この石段をのぼって、しょうじようになりたいです。ともだちにもいいます。
    ともだちは足が短いのでむりかもしれません。

    1. すずさま
      いつも大変お世話になっております。
      お友達はウータンさんでしょうか?
      ぜひ、ご一緒に石段を上がってみてください。
      素晴らしい景色がそこにはあります。

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