新春 2025

あけましておめでとうございます

2025年がスタートしました。
みなさまお健やかに新年をお迎えのこと、お慶び申し上げます。
この一年もみなさまが穏やかなお気持ちでお元気に過ごされますよう、お祈り申し上げます。

さて、お寺では大晦日から三が日にかけて行事が滞りなく進み、また新たな気持ちで今年一年、檀家各家の繁栄、日本国の安寧、世界の平和をお祈りしていく所存でございます。

それでは、年末年始のお寺の様子をお伝えします。

大晦日の夜、除夜の鐘をつきに0時前からご参拝が始まりました。
これまでの反省とこれからの目標を胸に、力強く梵鐘を打つみなさんでした。



午前0時を過ぎると沢山の方がご本尊様にお参りされました。

新しく迎えるこの一年が佳き年になるよう、一心に手を合わせておられました。

除夜の鐘をついている間、内仏殿では阿弥陀様に、本堂ではお薬師様に一年のお礼と新年のご挨拶のお経をあげました。

高校三年生になった近所の子供たち。立派な青年になった彼らもまた、それぞれの願いを叶える為、お寺にお参りして来るべき春へ向けて頑張るそうです。応援しています!

明けて元旦、修正会(しゅしょうえ)が三日間行われました。
現在の國分寺は檀家さんのあるお寺ですが、もとの「美作国 国分寺」は聖武天皇が国家の平安を願って国ごとに造られた官寺です。それは今なお國分寺の果たすべき役割とし、檀家各家のみなさまのご健康と幸せを祈り、そして日本国及び世界の平和をご本尊様にお願いすることを務めと考えております。
三が日、午前と午後の一日二回、寺内一同で心を込めてお勤めしました。

篤信の方もお参りされ、香煙立ち込めるなか、ご一緒にお経をお唱えしました。

今年はよく晴れて穏やかなお正月となり、ご家族みなさんでのお参りの姿が多く見られました。

知ったお顔を見つけて、今年も元気に新年のご挨拶をなさる様子も。

大晦日の夕方、強風の為外された玄関幕も元通りに。
これが孝照和尚さん直筆「國」の字です。

本来門帳とは仏様のいらっしゃる場所と外の世界を仕切る為のものですが、孝照和尚さんは大切な方をお迎えする際の歓迎の気持ちの表れとして掛けています。

ここにも孝照和尚さんの直筆「國」の字が!

三が日午後からは、阿弥陀様の前で各家のご先祖様に「各家のみなさま方をどうぞお守りください」とお願いしました。

みなさまと共に、2025年も笑顔とユーモアを忘れない一年にしたいと思います!

2024年 大晦日

今年もあと少しとなりました。
みなさまにとって、今年はどんな一年だったでしょうか。
2024年は年明け早々、能登半島地震、航空機墜落事故と悲惨なことが次々と起こりました。
多くの方が犠牲になり、今なお、悲しみ苦しみを抱えた生活が続いていることと思います。
それでも皆等しく大晦日を迎え、そして新しい年が明けます。
来るべき新年がどなたにも等しく明るいものでありますよう、心よりお祈り申し上げます。

さて、今日は夕方頃から強い風が吹き荒れ、今にも雪が降りそうな寒さでした。
昨日のうちに寺の者総出で取り付けた幕が大きく風にはためき、これでは幕が破れてしまうかもしれないと心配した前住職さんの判断により、苦労して取付けた幕でしたが一部分は外すことにしました。
この玄関幕には、前住職さん直筆の「國」の字が入っています。
白地と紫地があるので、その年はどちらが張ってあるか、お参りされた際にはぜひ注目してご覧になってください。

前住職さん直筆の「國」の字と、風対策に奮闘するふたり
今年は前住職さん、孝楓住職さんの初コンビで制作した迎え花も風で飛んでしまうほど
玄関には蓬莱山とお鏡の準備を整えました


今夜は23時50分より除夜の鐘をつき始めます。
お寒い中ですが、どうぞお気をつけてお参りください。

大掃除、始まりました

冬らしい寒い日が続いていますが、みなさま体調はいかがでしょうか。
インフルエンザやコロナ、高熱が続くひどい風邪など流行っているようです。
津山地方では最低気温がマイナスになることもあり、日中は10℃に満たない日も多いこの頃、4日前には雪も降りました。

そんな寒さのなか今年もやってきました、泣きの一大イベント・・・大掃除。
近頃は大掃除は暖かい時期にする方が、体にも汚れ落ちにもよいと言われます。
確かにそうなのですが、さすがに仏様をお祀りする場所、みなさまが新しい佳き年を迎えようとお参りなさる場所ですから、汚れを持ち越したまま新年を迎えるわけにはいきません。
住まいのある庫裏部分は多少目をつぶっても、お堂や客間、境内は念入りに!
当然のことですが、そんな気持ちで12月は一生懸命大掃除月間です。

國分寺のお寺はお堂も多く、最も古い本堂は300年ほど前の建物。
その造りは独特で、掃除をするにも苦労します。
修繕を繰り返しているとはいえ、古い木戸には太いささくれがたち、雑巾で拭き掃除をしていると指をザックリ (ノД`)・゜・。なんてことも。
今までに何人も負傷者がでている、
凶器ともなる古さです。
ちょっと笑えるのが、寒さで手がかじかみ、痛みは一瞬遅れでやってきて、負傷したことにすぐには気がつかないことも。

お正月までにすべきことは沢山ありますが、第一に怪我をしないよう注意を払って、みんなで少しずつ進めています。


細かい格子や桟の一本一本、手が届くところまで全て拭きあげます。




面、桟、ガラス、拭くべきところは沢山あります。

写真を撮った今日は晴れていましたが、外から窓拭きをしたのは寒風吹きすさぶなかでした。
寒さと疲れで辛かったけれど、ここの掃除が出来ているというのは、我々にとっては非常に安心する、嬉しいことなのです。

そして本日の掃除場所はお地蔵様がお祀りしてある「会館」。
檀家の方が法事などでも使われるところです。


向かいには池があり、そのほとりに一本の「マユミ」の木があります。

外に出て会館の玄関を掃除していたとき、ふと目に入ったのはなんとも可愛らしい赤い実。
紅葉した葉が散り、少なくなっても実は残り、目を引きます。
しばらく眺めていると疲れも吹き飛ぶような気がしました。



この赤いのは実で、小さく目立たない淡緑色の花が5~6月頃に咲きます。
そして木の質は緻密で粘りがあり、古くから弓の材料に使われたそうです。

「まゆみさん」という人に会うといつも思います。
マユミの花のように楚々として上品に、マユミの実のように華やかに可愛らしく、それでいてしなやかな強さをもった子に育ってほしい、との願いを込めて名付けられたのでしょう。この木を知ると、素敵なお名前だとより一層、思うようになりました。

手を動かしながら、頭の中ではこんなことを考えていた今日の大掃除。
ほかには、これが終わったら何を食べようかな。。。とか(笑)

秋の國分寺と西福寺

いよいよ師走に入りました。
朝晩かなり冷え込む時期となり、津山地方の最低気温は1度や2度という日が続いています。
対して日中は快晴の日も多く、お寺の裏庭にあるモミジも紅葉が一日一日と進み、爽やかな青い空との対比がとてもきれいに映っています。
ちなみに、この裏庭は石仏で極楽浄土を表現したものだそうです。
急な斜面や、間に水路が通っていたりと管理が非常に難しい場所ではありますが、この景色を楽しみに日々清掃に励んでいます。
境内からは少ししか見えませんので、写真でこの景色をみなさまにもおすそ分けしたいと思います。

水面に映ったモミジも綺麗です

今年は暑さが長引いたため、真っ赤ではなく茶色っぽくなってしまったそうです

また、少し前には國分寺が兼務する西福寺で「秋まつり法要」が行われました。
上品な阿弥陀様がお祀りされている静かな山の上のお寺で、歴代住職さまと檀家各家のご先祖供養をしました。
毎回、少ないながらも各家から必ずおひとりは出席されます。
一年に二回、小さなお寺に篤く大きな信仰のお気持ちが集う日でもあります。

写真は國分寺境内にもどって…
折れた椿の枝をつけておいたら、しばらくして水鉢の中で可愛い花が咲きました

玄関脇には可憐な小菊
孝照さんのお気に入りです

年末に向けて気忙しく、また寒さも本格的になりますが、みなさまくれぐれもお体に気をつけてお過ごしください。

 

弁天さまと音楽の秋

10月20日(日)前日の大雨もすっかり止み、過ごしやすいお天気のなか「弁天まつり」が行われました。
今回は巳(み)の日(=弁天さまの日)がちょうど日曜日ということもあり、40名を超える大勢の参拝がありました。

冒頭、住職さんの挨拶では、「弁天さまから福徳、縁寿のおかげがいただけますよう、一生懸命お勤めいたします」とありました。平たく言うと、みんながハッピーで、与えられた寿命の限り元気に生きていけますように!と弁天さまにお願いをします、ということです。

そして住職さんの話にもありましたが、今年の弁天まつりはなんと401回目でした。
『國分寺記』という古い歴史書には、きちんとした形で弁天さまをお祀りしだしたのは1623年からという記述があり、そうすると今年で401年目。
昨年、節目となった400年目はみなさまのお参りはまだご遠慮いただいたのですが、今年は5年ぶりにヴァイオリンとチェロの奉納演奏も復活し、 400を超えて‛1’ ということで新たな一歩がスタートしました。
従来の護摩祈願は史跡保存の関係でできなくなりましたが、しっかりと御祈願されたお守りをお授けしました。

変わらず守り続けていくものと、よりよいものへと変化していくもの、両方を大事にこれからまた何百年も続いていくことと思います。

また、奉納演奏の初めに奏者の方が「楽器の演奏は私たちの体を使ってするのですが、ここにいらっしゃるみなさま全員でこの場を作りあげていきたいと思います」とおっしゃいました。
私はこの言葉がとても印象に残りました。
いよいよ演奏が始まり、美しいメロディーや迫力ある音を聴いていると、次第に何とも言えない心地よさに包まれていき…
体のなかから湧き上がってくる感情?感覚?は、言葉で表現すると  “ワクワク” “ウキウキ” “嬉しい” “楽しい” というようなポジティブなものばかり。
まるで我々がヴァイオリンやチェロの音と一体になったかのような感覚。
その場にいる全員で音楽を奏で、弁天さまがそれを喜び、我々にお力を授けてくださっているようなそんな歓喜に満ちた時間でした。

弁天さまをお近くに感じながら、お経と音楽と共に秋のよい一日を過ごすことができました ♪♪♪


参拝者はそれぞれの願いを心に浮かべ、祈りました

↓ここをクリックするとお経が聞けます
https://youtu.be/QorAKSAQ5t4?si=P8y8wghhaiMYc4qB



法要と演奏の間の休憩タイム

久しぶりに馴染みの顔が揃って楽しそう

兵庫県より4名の演奏家がお越しくださいました

ヴァイオリンとチェロでロシアの作曲家グリエールの曲も
初めて聞いた作曲家の名前で新しいことをひとつ知ることができました

ベートーヴェン、バッハ、ヴィヴァルディ、モーツァルト、ビートルズと知っている曲、初めての曲と幅広く演奏していただきました

迫力ある演奏に皆、惹き込まれました

足を崩し楽な姿勢でゆっくり音楽を楽しみ、最後は全員で「ふるさと」を生演奏と共に気持ちよく歌いました ♬

弁天まつりのご案内

みなさまお元気でお過ごしですか。
10月に入りやっと暑さも落ち着き、気持ちのよい季節となりました。
日中は晴天が広がり、特に津山地方ではこのように過ごしやすい時期はほんのわずかなので、少しの間楽しみたいと思います。

さて、来週 10月20日 には弁天さまのお祭りがあります。
法要のあとには5年ぶりにヴァイオリンとチェロの奉納演奏も行われ、ご希望の方には御祈祷したお守りシールもお授けいたします。
今年の巳(み)の日(弁天さまの日)はちょうど日曜日なので、檀家さんでない方にもご案内したところ、「弁天さまが好き」とか「美しいお堂に入ってみたい」、「ヴァイオリンの演奏をお寺で聴いてみたい」など、それぞれの思いでお参りされるようです。

弁天さまがお祀りされている回向堂(えこうどう)は5月と10月の年二回の法要の際、開放されます。とりわけ秋は盛大な法要がなされ、どなたでも参っていただけます。どうぞお気軽にご参拝ください。

玄関には秋のお華
土佐水木・木苺・リンドウ・白小菊・ススキ

ドラゴン柳・風船唐綿・赤ドラセナ

雪柳・赤小菊・ススキ

 

施餓鬼法要 2024

8月18日、施餓鬼(せがき)法要が執り行われました。
今年は雨の心配はなかったものの、尋常ではない暑さにどうなることかと心配しましたが、体調不良になる者もなく無事に終えることができました。
夜の法要に向けて朝から準備に来てくださった総代の皆様、夜遅くまで本当にありがとうございました。
立派な餓鬼(がき)供養ができ、各家のご先祖供養ができました。
長く暑い施餓鬼法要の一日を写真でお届けします。

本堂前に集合して先ずはご本尊様にご挨拶
今日一日皆が無事で、施餓鬼法要ができますように

餓鬼供養の準備からスタート

法要にあたり玄関幕を張ります

境内清掃も念入りに最終チェックです


ほんの少し休憩タイム…しかし暑い!

午後からは参拝の方の受付も始まります

久しぶりにいろんな方のお顔が見えて嬉しい日でもあります

夕刻七時、いよいよ法要が始まります

お堂の中はむせるような暑さで汗が滴ります
幾重にも衣をまとうお坊さんは大変ですね

六人のお坊さんに懇ろに供養していただきました

高い所にあるお供え物には手が届かない餓鬼の為に白飯と水を下にお供えします

気温は高いものの、夜空には秋を思わせるようなお月様がでていました

お盆を迎えて

ご先祖様のお帰りを楽しみにしていたお盆も早いもので今日で終わります。
みなさんはどんなお盆をお過ごしでしたか?
暑いなかでしたが、ご先祖様に思いを馳せ、我々が今ここにいられることに感謝する時間となったことと思います。
お寺では14日に遠方の方々がお参りされる「合同初盆」と「合同棚経」のお勤めが行われました。
ご縁があってご一緒にお参りされたみなさんは、他家の仏様にもお互い手をあわせるという良いことができました。

名誉住職さんお手製の看板でお迎えです通称「くまちゃん」の看板、面白い形の板がクマに見えませんか?
孝楓さんは大切な方々を思い浮かべながら一生懸命お勤めさせていただきました
島根、岡山、勝央町からお参りに
「ひまわりが夏らしくていいですね」と喜んでいただけました
東京、倉敷、笠岡、岡山からお参りに高3と中1の女の子二人でお供えのお団子を作りました
僧侶だけでなく、お寺の裏方も後継者が育ってきているようです

猛暑のなか新種のユリが咲きましたお盆が終わるといよいよ夏の最後の行事「施餓鬼法要」です
数日前に蜂に刺されてしまった名誉住職さん渾身の作、蜂にご注意ください!

夏のお盆参り

ここ津山地方は盆地特有の苦しくなるような湿気でしんどい梅雨でしたが、梅雨明けと同時にさらに苦しいほどの暑さが続いています。

お寺は今年も檀家各家のご先祖供養のお参り、棚経(たなぎょう)の真っ最中です。暑さは年々ひどくなりますが、みなさまにお会いし、ご様子を聞かせていただくのを楽しみに住職、副住職の二人が頑張ってお参りに出ております。

そして数日ですが、小僧の光胤(こういん)さんも一緒にお参りさせていただいています。今年中学三年生になりましたが、小学五年生から毎年棚経を勤めています。お参り先で人生の大先輩から貴重なお話を聞かせてもらったり、「わたしはこの方に送ってもらうんじゃな。」と安心して言ってくださるそのお言葉を聞いて、段々と覚悟と責任感が育っていくのだろうと期待しています。

まだまだこれからですが、身長だけでなく檀家のみなさまのあたたかいお気持ちで大きく育てていただき、正しい心を持ったお坊さんになってほしいと思います。

今年も浅草より可愛らしいほおずきと風鈴が届きました。毎年違う柄の風鈴で音色とともにその絵柄も楽しませてもらっています。
夕方、風に揺られて心地よい音色にしばし心が休まります。
みなさまくれぐれもお身体お大事にお過ごしください。

初日の朝は緊張のせいか、こんな感じで孝惺さんと出発しましたが…
午後からは少し落ち着いた様子で孝楓さんとお参りへ

浅草から遥々、津山の地で皆を楽しませてくれています
今年の絵柄は花火です

孝照さんの大好きな花、桔梗が暑さに負けず咲いています

 

紫陽花と可愛い子どもたち

梅雨入りし、毎日雨がよく降ります。
お寺の境内にもわずかですが、紫陽花が生き生きと咲いています。
紫が上品なものと白い可憐な紫陽花です。
紫の紫陽花を皆で眺めながら、紫は高貴な色であるということを改めて思いました。

先日、お隣の河辺(かわなべ)小学校から2年生42名が「町探検」へお寺へやって来ました。
1組と2組のそれぞれで班ごとに質問を考えてきてくれ、お寺の仕事や仏様のことをしっかり勉強しました。

沢山の質問のうち「どうしてこの場所にお寺が建ったのですか?」という質問には、孝楓住職さんから「勉強したり、修行するのにふさわしい良い環境だったからです。河辺小学校もそんな良い場所にあります。だからみんなもきっとよく勉強ができますよ。」との答えがありました。
それを聞いて、私もなるほど!と納得。我が家も孝照前住職さんから三世代が通った小学校で、今年創立150年を迎えます。
やはり歴史のある学校はそんな素晴らしい環境だからこそ、この地にできたのですね。

子供たちのおかげで、改めてお寺や小学校など地域の歴史を深く感じる良い機会となりました。



クラスごとに町内の数か所を巡って町探検です  まずはご本尊お薬師様の前で手を合わせてご挨拶
みんな真剣に話を聞いて勉強しました