秋から冬に


見てください!わずかひと月ほど前の境内はこんなにも鮮やかに彩られていました。爽やかでスッキリとした青空と、深紅の美しいモミジの葉。あ~気持ちいい!と、嬉しくて思わず声が出るような見事なコントラストです。

しかしそんな景色も一瞬でした。12月に入り、全国的に暖かかったのが一変、師走寒波が到来。津山では3日の夜には初雪が降り、翌朝までに1cm程積もりました。12月7日は「大雪」、暦どおりでした。

ここ数年毎年言われていますが、今年も本当に短い秋でした。来秋にはまた美しい景色が我々の目を楽しませてくれるのを楽しみに、これからしばらくは寒さに耐え、元気に乗り切っていきましょう。






さて、秋を振り返ってみますと、11月初旬には西福寺で秋祭り法要が行われました。
法要のあと、孝楓さんからは『和合』の話がありました。西福寺のお寺は少ない檀家数ではありますが、地域の皆さんがお互い助け合い、尊重しながら暮らしておられます。その様子は先代、先々代からずっと続くもので、この地域の良さであり最大の強みだと思います。この地域では『和合』の精神があるからこそ、ここでの暮らしが成り立ち、またそこに心の豊かさがあるのだと感じたそうです。



12月になってからは少しずつですが、大掃除も始めています。暖かく天気の良い11月から始めれば楽なのに、とも思うのですが、ひと月もあればまたひどく汚れてしまうし、早くから始めて長く師走感でいるのも気分的に嫌だし…という調子で、重い腰が上がったのが6日のこと。幸いこの日は暖かく陽も射していたので、たくさん着込んで動いていたら汗ばむほどでした。それにしても昔ながらのガラス窓は細かい細工で、そのうえ木がささくれているのでケガをしやすく、注意が必要です。
…と、慎重に作業を進めていると、どこからかうめき声のような、誰かを呼ぶような変な声が聞こえてきました。辺りを見回しても誰も何もいません。鳥の声?気のせい?と掃除を続けていると、再び変な音が…。今度は廊下の下からガンガンと廊下を叩く音も聞こえてきます。え?一体どこから??
すると今度は前住職の孝照さんの怒った声がはっきりと聞こえてきました。


わっ!!!


私たちが掃除をしていた廊下の下を覗くと、なんと床下に孝照さんがもぐっているではないですか!頭上で拭き掃除をする足音が、大きな音で響くと言って怒っていたのでした。
なんでこんなところに?いや、その前によくこんな狭いところへ入れたものだ。いつもびっくりするようなことをする孝照さんですが、この動きは予想しなかった。それにしても、わ、若い…(=_=)


しかし一体何をしようとしているのでしょうか。私には一向にわかりませんでした。とにかく地を這いながら怒っています。若い者は誰もこんなことをしやしない。俺がこんな大変な思いをしてるのに、まったくっ(怒)ブツブツ。。。


うわっ。こわっ。鎌を持って怒った!


泥まみれで床下を這いずり回って何かをしてくれていましたが、二時間ほどしてやっと狭い穴から再び外へ。それにしても、入るのも出るのも狭くてひと苦労です。


なんとか外界へ出てきた孝照さん、顔はドロドロ、体はヘトヘト、息も絶え絶えに。 「は~。やっとこれで長年気になっていた掃除ができた。」と安堵の様子。長い年月かけて床下に生えたシダなどの雑草を一人で潜って取ってくれていたのでした。ありがとう、とっても感謝です!!!

こんな具合に、寒く厳しい大掃除はまだまだ暮れまで続きます。孝照さんに怒られたい方、心の大掃除をなさりたい方、四姉妹と楽しくおしゃべりしたいという優しい方、ご一緒にお寺の大掃除いかがですか?大歓迎いたします。


追伸 83歳、死ぬまで頑張ります!