愛車とのお別れ

立春を過ぎ、寒さのなかにも柔らかな陽ざしが春を思わせるようになりましたが、この週末はまたもや大寒波の到来。
今朝は少し雪が積もり、日中も強い風と粉雪が舞っていました。
そんな寒い日ではありましたが、本日のお勤めはご先祖供養ではなく…
愛車とのお別れのためのご供養でした。

お寺でのお勤めはお葬式をあげること、ご法事をすることだけではありません。
お墓を直したり、新しく建立したりする際にもお経をあげてしっかりご供養をいたします。

そのあたりまではみなさんご想像がつくと思いますが、他にも車を購入した際の安全祈願、家に関すること、木や土地を鎮めるためのものなどいろいろとあります。
お寺の裏庭防災工事の際には樹齢何百年という古い木を伐採するので、盛大に地鎮式を行いました。
これらはすべてきちんとした作法に則って執り行われます。

今日は廃車となるバイクの撥遣供養(はっけんくよう)をしました。
簡単なお供え物をして、読経が始まりました。


そして「法則(ほっそく)」と言われる文章でこれまでバイクと共に過ごした歴史が読み上げられると、施主(持ち主)の胸にはせまるものがあるようでした。

20年もの間持ち主とともに過ごしてきた愛車です。
愛着があるのはもちろんのこと、これまで事故なくその身を守ってくれたことに施主は感謝でいっぱいです。
なにもせずに手放すことは到底できないとの思いから、撥遣供養(はっけんくよう)を行うこととなりました。


ご供養を終えて施主からは、「廃車にしてしまって悪かったという気持ちでしたが、拝んでもらったあとは清々しい気持ちになって安心しました。」という言葉がありました。

大事にしていたもの、大切な思いがこもったものにもきちんとお別れをすることで、我々の気持ちも軽くなります。そして人やものをもっと大切にしようという心が生まれます。

このようにお寺の役目はご先祖供養といった大きなことだけではなく、日々の生活のなかにもあるのです。