バイクに乗ってお参りへ ~ Let’s go!

今年は開花が早かった桜ですが、お寺の境内には開花時期の遅い鬱金桜(うこんざくら)が咲いています。
京都の哲学の道で出会い、名誉住職さんが気に入って國分寺の境内にも植えたものです。(2019,5,5  と 2021,4,5 のブログでも紹介しています。)
ここ数日の暑さでぐったりしていますが、あと少しだけ楽しめそうです。

そして今開催中のバイクイベントでお寺にお参りされる方も増えています。
https://million-riders.com/
スタンプラリーの目的で訪れるバイカーの皆さんですが、やはりちゃんとご本尊様にお参りされています。
そんな皆さんはきっとお薬師さまに守られて、これからも安全にバイクライフを楽しめることと思います。

 

イベント開始最初の来訪者は日本原で喫茶店「ファミリートコ」を営むこの方。

女性バイカーのTさんとはバイク好きの父娘話で盛り上がりました。
またいつかお父様とツーリングでお参りくださいね!

お仲間でツーリング ♫

バイクのエンジン音は詳しくない者でもワクワクします。

なんとこの日は山族ライダーズの朝山すずさんとゴル氏がお参りされました。
たまたま居合わせたファンの方もびっくり!大喜びでした。

そしてこんなことに・・・

4年ぶり!

新年度がスタートしました。
コロナ感染状況も現状では落ち着いているので、慎重に検討したうえで、お寺の行事もできるだけ元に戻していきたいと考えています。
そして本日、境内の桜も満開のなか、コロナ禍以降開催を自粛していた総代会をやっと開催することができました。
実に4年ぶり!総代の皆さんに直接お会いすることができました。
これからは檀家のみなさまにも法要等で、お参りしていただけることを楽しみにしております。
皆さん久しぶりで話も弾みます

まずはご本尊お薬師様にご挨拶

この時だけマスクを外して恒例の写真撮影

気温が高く窓を開けて換気はバッチリ、でも花粉が・・・涙

満開の桜、風に吹かれて花吹雪もキレイ

スタンプラリーイベント!


雨の日が続いていますが、この暖かさで県北の桜も早々と咲き始めました。

津山といえばお城山の桜。

徐々にイベントも行われるようになっており、沢山の観光客で街が賑わうことかと思います。

そんな桜の季節に合わせて、面白いイベントがスタートします。

その名も

【 ミリオンライダーズスタンプラリー 
 〜100万人でつくる未来〜  in 津山 】
 2023.4.16.25

ライダー向けのまちおこしイベントで、津山の観光スポット6ヶ所にスタンプ台を設置。ツーリングでそれらのスポットを巡ったライダー達にスタンプを集めてもらい、SNSで応募すると商品が当たるという仕組みです。行楽シーズンの津山により多くのライダーに来てもらい、それによって地域の活性化を図るというものです。

この企画意図に賛同し、國分寺のお寺も協力させていただきます!

主催するのはバイクをテーマに津山で様々な活動をしている4人組「山族ライダーズ」。
小さなご縁も重なり、スタンプの設置場所のひとつにこの國分寺が選ばれ、お話がきました。
これまでの活動内容やメンバーの方々の思いを詳しく伺い、地元の活性化と、よりよい未来を願い、行動するパワーと誠実さに心打たれました。

このイベントの成功と、若い力がどんどん発揮されていくことを願い、微力ながら応援していきたいと思います。

バイカーもそうでない方も是非、この機会に津山を訪れイベントに参加してみてください。

https://million-riders.com/

地元の津山朝日新聞(2023.3.10)にも大きく掲載されていました

3月22日、津山城の桜は開花宣言されました

昨日、お城の下の方の桜はわずかに蕾を残してほぼ満開に

東日本大震災犠牲者を想い

3月11日、震災発生より今年で丸12年となる今年は13回忌法要を行い、寺内の者で心を込めて追悼いたしました。

12年前のこの日、東北地方は雪が舞い、当地も大変に寒い日でした。
あの凄惨な状況は、テレビの映像を通してみている我々まで恐怖と寒さに震えるようでした。そのことは今でもはっきりと思いだされます。

今年は連日暖かい日が続き、境内の木々は次々と花を咲かせています。
犠牲者の魂を悼むと同時に、被災された方々、そして生かされた方々の心に一輪でも多くの花が咲くことを願いました。

2時半頃からお勤めを開始しました

2時46分には読経のなか、静かに祈りを捧げました

2時46分、境内では鎮魂の鐘を打ちました

12年前、四十九日法要の際には、東の方角に向かって大きな角塔婆を建立しました

樹齢100年を過ぎる梅の古木、この日花は満開に

一週間前はまだ蕾も沢山あり、風情いっぱいでした

枝垂れの白梅

こちらは、同じ一本の木に紅梅と白梅が混ざって咲いています

山茶花も咲き乱れ

毎年いただく啓翁桜、今年は玄関前に生けてみました

花が咲いてからも長く楽しめます

玄関の生け花も春の花で溢れています

木瓜・菜の花・つげ

黒猫柳・トルコ桔梗・ユーカリ・麦
青麦の花言葉は『希望、繁栄、豊作』
東北の地へ届きますように

 

悲しみと向き合うということ

随分と春らしくなりましたが、ここ津山の地では一月の大雪以降二度、三度と雪が積もり、今日は風が強く、雨とみぞれと雪が降る荒れた天気となりました。

さて、今日はある新聞記事に掲載されていたお話をご紹介します。

悲しみを抱えた人を支える「グリーフケア」という活動についてで、上智大学グリーフケア研究所非常勤講師、入江杏さんの活動です。

入江さんは23年前に起きた未解決事件「世田谷一家殺害事件」で妹家族4人を失った遺族です。
偏見と差別から傷つき、事件のことを知られないようにと沈黙のまま6年間を過ごしたそうです。

しかし、様々な葛藤のなか「グリーフケア」というものを学ぶうちに、語りを阻害している偏見の出どころを見つめ、そこから語ることを始めたそうです。
そして、犯罪や事件とは直接関係のない人達にも様々な悲しみがあって、「自由に悲しんでいい」というメッセージを共有する機会を作っています。

ー喪失に伴う悲嘆(グリーフ)は誰の心にもあるものー

入江さんはその歩みのなかで気づいたことがあると言います。

「こうあるべきだ」という社会のメッセージが強く、日々もっと強く明るく、元気に、健やかにとせきたてられ、生活のなかの些細な悲しみに立ち止まる余裕が与えられない。それゆえに、悲しみを語ることに怖さを感じている人も少なくないのではないでしょうか。

万葉集の挽歌(ばんか)や源氏物語などでは男女問わずよく涙をこぼし、「かなしみ」を表現しています。そして「悲しみ」「哀しみ」「愛しみ」「美しみ」「愁しみ」と様々な漢字があてられることからも多くの意味を持っていました。
でも今の日本社会では、「かなしみ」の豊かさは理解されず、ただ怖い、やっかいなものとして忌避されているのではないでしょうか。

入江さんはそんな「かなしみ」の豊かさを取り戻すヒントとして、このように語っています。

「かなしみ」は忌むべきものではない。その中にいる人は、弱い人でもない。かなしみは「乗り越える」というものではありません。喪失の体験やかなしみとの向き合い方に、特別な処方箋はありません。かなしみを恐れることなく、生きていれば誰にでもある豊かなものとして捉え、率直にその経験や苦しみを本心で自由に語ることのできる安全で安心な場や人間関係を増やしていくことが大切なのではないでしょうか。

そして最後にこう締めくくられていました。

足元に立ち戻ると、当然のことですが事件の解決を願わない日はありません。「かなしみ」も心の中に抱き続けています。それでも、亡き人達との出会い直しを通して「悲しみは愛しみ」と気づくことができました。十分にあなたらしく悲しんでいい。「そこから」と語りかけていきたいです。

(朝日新聞より抜粋)

我々はまさに悲しみの渦中にいる方とお話することが日常です。
家族や近しい人を失った悲しみは言いようのない喪失感、そしてたとえ同じ家族でも立場が違えばまたその想いも人それぞれで、自身以外は計り知れないものだと思います。
そのうえで、その方の悲しみに寄り添いながら仏様と皆さまの橋渡しができるよう共にご供養することが我々の使命であり、常にそれを念頭に置いて日々過ごしております。
ですが、前向きになれるように、との思いがつい走ってしまい、急かしているのではないか、励ますつもりの言葉が悲しみを封じているのではないか…この記事からそんなことを考えさせられました。

悲しみと向き合うということ・・・
答えはでませんが、これからも考え続けていこうと思います。
そして少なくとも、人々の苦しみや、「かなしみ」を本心で自由に語ることのできる安全で安心な場が、お寺であるよう努めて参ります。

紅梅

福寿草

白梅

啓翁桜

啓翁桜・カラー・椿

10年に一度の大寒波 ⁉


この度の大寒波、各地で大きく被害がでていることかと思います。
お見舞い申し上げます。

お寺のある岡山県津山市は全国ニュースの冒頭でも取り上げられるほど、短時間での急激な積雪を記録しました。
発表では25日の積雪量は46cmとなっていましたが、それは午前2時時点でのこと。実際にはお寺の境内は50cmを超えましたし、津山市内はどこもそれぐらいで、更に少し山側に近づくと60cm以上積もったようです。
昔は元旦の朝など雪が積もることも多かったですが、こんなにも深く積もったのは初めての経験でした。

災害が少ないといわれる岡山県ですが、県内でも地域間で大きな差があり、特に県北部は大変な状況であったことと思います。
これを機に、水や電気の大切さ、備えることの大切さを痛感しました。

みなさま、引き続きお気をつけてお過ごしください。

まずは玄関から門にかけて雪かき

雪国の方のご苦労は計り知れないものです


一方、玄関のなかではひと足早く春の訪れが
~赤芽柳・つげ・菜の花・ぜんまい
しかし!大雪の翌朝には水盤の水は完全に凍っていました

赤芽柳

ぜんまい

あけましておめでとうございます

今年はこの辺りでは珍しく雪のない年末年始となりました。
皆さまお健やかに新年を迎えられたことと存じます。
今年も法要やお寺の様子など、お伝えしていきます。
どうぞよろしくお願いいたします。

「住職よりご挨拶」
あけましておめでとうございます。
本年も穏やかな年であるよう、微力ながら努めたく存じます。
幸せの価値というものが変わってきた今、目先の賑やかなことにとらわれず本質をよく見極め、じっくりと考え自分のおかれた場所で丁寧に暮らす、それが私達に安心を与えてくれることなのではないでしょうか。
佳き年となりますように。
國分寺住職 田中 孝楓

大晦日の夜
今年は日付が変わってから参拝の方がちらほら

若い方のお参りが多かったようです

煩悩の数だけ108回鐘を打ちます
皆さん一心に

午前と午後の一日二回、一時間程かかる「修正会」(しゅしょうえ)を三が日執り行います

産まれたときからずっと子供達も一緒にお勤めさせてもらい、今では難しいお経もそれなりに読めるようになりました

橙の代わりに、お供えいただいたゆずと、これまた別の方からのお供えの干し柿を鏡餅に

元旦の朝、境内の南天が青空に映えてとてもきれい

冷たい空気のなか、マユミのピンクが愛らしくほっこり

玄関幕は名誉住職孝照さんの字で「國」と書いてあります

今年は住職孝楓さんが玄関前の大作に挑戦

お供え用の鏡餅が立派にできあがりました
お正月花はシックに枝若松と万年青です

三が日は年頭のご挨拶にみえる檀家さんをお迎えします
枝若松・孔雀の羽

大晦日の夜

穏やかな大晦日の夜です。

この後23時50分頃から除夜の鐘をつきます。
今年もお接待などはいたしませんが、どなたでもお参りいただけますのでぜひご参拝ください。

今年はどんな一年だったでしょうか。
あと少しで新年を迎えますが、皆様にとってより良い一年となりますようお祈りしております。

11月
紅葉したモミジや桜の木が秋の夕日に照らされて。

12月
屋根の一部修理の為、足場が組まれました。
滅多にないチャンス!と屋根の高さまで登って境内を上からパチリ。
80歳の名誉住職さんもへっぴり腰ながら嬉々として登っていました(^^;

大掃除はまだ暖かかった12月の初旬から。
この頃は本当によかった。。。

12月15日には積雪がみられ、この辺りから冬本番の寒さとなりました。

ひと足早い水仙が玄関でお客様をお出迎え。
何とも言えない良い香りでした。


2023年が心穏やかな一年となりますように

 

この方なしでは語れない

早いもので今日から12月、全国的に寒い日となりました。
師走の声をきくと、いっぺんにせわしなくなりますね。
これからは寒さ対策をしっかりとして、元気に冬を乗り切りましょう。

さて、少しブログの間が開いてしまいましたが・・・
秋には大きな法事が執り行われました。名誉住職孝照さんの祖母、「田中つな」さんの50回忌法要です。

この方、比叡山麓の坂本村に生まれ、後に國分寺101世住職となる孝正師の妻となりました。比叡山のお寺の住職であった孝正師は、國分寺の住職欠員にあたり地元檀家に懇願され、特命住職として津山の地へ赴任することとなり、つなさんも6人の子どもを連れて津山に赴きました。ところが数年後の大正8年、孝正師は48歳の若さで急逝、一説にはスペイン風邪が原因とも言われています。当時第一子である後の102世住職孝円師は、天台宗比叡山中学三年の17歳、末子は生後半年の乳飲み子だったそうです。
夫の孝正師亡き後は、外来者であるうえに大黒柱を亡くし、大変な苦労をしながら女手一つで子を育て、孝円師が比叡山での修行を終え津山の地に戻るまでお寺を守っていかれたそうです。

そんなつなさんが目に入れても痛くないほどに可愛がっていたのが、孫の孝照さんです。その孝照さんが50回忌法要を務めることは、互いにこの上なく嬉しいことでしょう。晩年まで、一生懸命に境内の草取りをするつなさんの姿が、孝照さんの目には焼き付いているそうです。強い意志と丈夫な身体で90歳までこのお寺を守り抜いた生き様は、寺婦の鏡と言えるでしょう。

この日は孫、曾孫、玄孫の三世代が集い、つなさんの人生に想いを馳せました。





 

秋の弁天まつり~2022

先日、巳の日に「弁天まつり」を行いました。
今年はコロナ禍以来、初めて檀家の皆さまにもお参りしていただき、10数名のご参拝をいただきました。

唱えていただくお経は「諸天讃(しょてんざん)」というもので、いつもご法事などで聞くものとは雰囲気が少し違って、明るく楽しく気持ち良くなるような旋律のお経です。
このお経を聞いた弁天様が、我々の元へ舞い降りてきてくださったでしょうか?
それは私にはわかりませんが、久しぶりに皆さまと一緒に「おんそらそば ていえい そわか」のご真言を大きな声で一心にお唱えしていたときには、弁天様に我々の思いがしっかりと通じていることを感じました。

さて、その法要の最後に孝楓住職さんからご挨拶があり、そのなかでこんなお話がありました。

30年ほど前のお話 ...

比叡山の弁天堂で小僧生活をしていた孝楓さん。
弁天様は神様ともいわれ、他の仏様とちょっと違うところがあります。
そのひとつはお酒をお供えするというものです。
一番下座(下っ端)である若い孝楓さんは、そのお酒を毎朝取り替えるのが仕事でした。

ある日の朝、目が覚めると頭が痛くて痛くてたまりません。いつもと違ってどうしても動きたくなくて、今日はお酒を替える仕事を休ませてもらおう、たった一度だけのこと、と怠け心がでてしまいました。
そうしていつもの仕事をしないまま朝のお勤めが始まりました。
孝楓さんはあまりの激痛に、ぼんやりしながら朝のお勤めをしていましたが、やっぱりどうにもお酒のことが気になって仕方がない。
そこで、お勤めが終わった後にはなりましたが、弁天様のお酒をお替えしました。
これで少し罪悪感がなくなった孝楓さんが一歩お堂の外へ出た瞬間、今まで頭を締めつけるように痛かった頭痛が嘘のようにすーっと消えていったのです。
その時孝楓さんはこう思ったそうです。
「なんと弁天様とは慈悲深い仏様なのか。私が悪い心をおこしてサボってしまったというのに、改心しさえすれば、その過ちを赦してすぐにおかげをくださるのか」と。
それ以来、怠け心が一瞬芽生えたとしても、常に誠実に仏道に励んでいるそうです。

そのエピソードを披露したうえで、こうも話されていました。
「こんなに慈悲深い弁天様にお参りなさった皆さまにも、きっとたくさんのおかげが、すぐにいただけることでしょう。皆さまが福男、福女となってご家族やご近所さん、お友達などにそのおかげをお裾分けしてください。」

秋晴れの爽やかなお天気のなか、清らかなお堂で弁天様のこのようなお話にふれ、気持ちのよい時間を過ごすことができました。